“お客さまに喜んでいただく”理念と自前主義で業績向上
京都発インナーショップ白鳩の本店サイト。多彩な特集・企画ページと、動きのあるナビゲートが目を引くつくりになっている。右は商品ページの例。同ジャンルの商品がオンマウスで移動し、購入を促進する。
(本店サイト:http://www.wakudoki.ne.jp/ )
株式会社白鳩が現在運用するショッピングサイトは、全部で11サイトある。本店サイト、楽天市場やYahoo!
Shoppingなどショッピングモール店、3キャリアの公式サイトをはじめとした複数のモバイルサイト群だ。
「下着を購入したいと思っている消費者が、ネットのどこからでも白鳩のサイトにたどり着けるようにしたいと考えています」と常務取締役の池上正氏は話す。2009年10月にリニューアルオープンした現在サイトは「誰の目からも恥ずかしくないものに仕上がっていると思います」という。
白鳩の創業は1974年。カタログ通販やリアル店舗を開店するなど事業を拡大し、95年にインターネットに参入、ネット販売を開始した。2000年に入り月間売上800万円と軌道に乗り、2002年には自社内の商品配送センターの完成により出荷能力を5倍に高め、売上もショッピングモールの店舗を合わせ月間5000万円を超えるなど順調に推移、2008年には月間売上1億円を超え年商も10億円を突破、翌2009年には12億円超と右肩上がりの成長を続けている。
同社の特徴は、“お客様に喜んでいただくのが商売である”とする理念と、発送までに至る商品管理をはじめとした業務の自前主義にある。こうした姿勢から、下着に特化した日本最大級を誇る品揃え、受注後のスピーディーな出荷、商品が到着してからの後払いの対応、自宅近くのコンビニでの商品受け取りなど、顧客がサイトで買い物をする楽しさや利便性が十二分に考慮されている。
eコマースのパートナーとしてアイティフォーを選定
今回のリニューアルは、アイティフォーが提供するECサイト構築パッケージ『ITFOReC』をもとに行った。ベンダー5社による提案の中からの判断だが、これ以前に試みたリニューアルでの反省が今回につながっている。
「2007年9月にもリニューアルを試みました。構造的に複雑さがともなう要求になったこともあり、構築に1年半かかってしまった。その間にもネット環境や世の中はいろいろ変化します。
何よりスピードが大切な業界にあって、形になったものでは効果が期待できないと判断し、すぐに再構築に動きました」と池上常務は振り返る。
アイティフォーを選定した理由は、信頼・実績・相性であるという。「私たちは販売に関してはプロですが、システムに関しては素人。ベンダーには私たちが望むシステム化を提案する力のある会社を求めました。後々を考え、規模も大きく、システム周りではこちらを牽引してくれるような、
コマースのパートナーとしての役割を担ってくれるベンダーを望みました」
そうして2009年10月にリニューアルオープンに至った。
柔軟な操作性が業務の効率化につながる
今回、満足度の高い仕上がりになったのは、ITFOReCが持つ機能が大きく貢献しているといえる。
ITFOReCは、ECサイト成功の4大要素である「集客」「購買単価」「コンバージョンレート」「リテンション」に対し、消費行動に基づいた効果的な機能、サービスを巧みに盛り込みパッケージ化したシステム。専門知識を必要とせずSEOなどアクセスアップにも効果のある商品ページ作成がスピーディーに行え、PCでは馴染まれてきたFlashやAjaxといった技術を用いて表現する動的なページをモバイルサイトでも容易につくることが可能だ。
静的なコンテンツに比べ、一画面で圧倒的な情報量が表示でき、ユーザビリティが向上することで訪問者の商品への関心を高め、コンバージョン率を高める結果にもつながるものとなる。
目に見えた効果として、池上常務は「作業の効率化」をあげる。「購入額に応じて付与するポイントの管理や、日々登録する商品情報はシステマチックに行えますし、特集ページや企画ページにしても時間をかけることなく作成できます。サイトは“ツール”と考えているので、システムで処理できるものはシステムに任せます。時間に余裕ができる分、重要な業務である顧客対応に専念できるようになります」
2ヵ月ほど経過した時点では、アクセスも伸び、何より重要なポイントであるコンバージョン率もこれまでの1.5%から2.0%へ向上している。
同社の流通倉庫。サイトリニューアルと同時に、商品管理も刷新した。
約200
坪のスペースに70,000 品番ほどの商品を管理。
陳列にも独自ノウハウにもとづく工夫が施されている。
基幹システムとも連動し、強力な販売体制の構築へ
今回、同時に基幹システムと自社物流倉庫の管理体制も刷新しITFOReCとも連動させているが、「商品登録から受注、ピッキング、出荷までのフローがスムーズに流れるようになるまでプロモーションも控えていたが、新規顧客が増えるなど反応も上々で、お客様からの大きな期待を感じます」という池上常務。今後に関しては「お客様とのかかわりをさらに深めていくためのメールマーケティングをPC、モバイルそれぞれに専任スタッフを置いて実施していきます。また新システムでは詳細なデータ分析機能も用意されていて、新たな発見もある。これらデータを分析し共有化を図り、お客様に喜んでもらえるように業務に生かして行きます」
ITFOReCの効果が高まるごとに、同社の売上は伸びて行きそうだ。
株式会社白鳩
- 設立:1974 年8 月
- 所在地:京都市伏見区竹田向代町川町29-11
- TEL:075-693-4609(代表)
- URL:http://www.wakudoki.ne.jp/
- 事業内容
ランジェリー・ファンデーション・ナイティの店舗販売及び通信販売。
楽らく通販システムの販売 - 仕入取引先
(株)ワコール/グンゼ(株)/トリンプインターナショナルジャパン/
(株)スタディオファイブ/ヘインズブランズジャパン 他70 社 - 店舗:JR 京都駅アバンティ店