RPA 業務自動化ソリューション(NICE RTSシリーズ)

RPAお役立ち情報07 失敗しないRPAツール選定ポイントは?

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掲載日:2017年9月20日

RPAお役立ち情報07失敗しないRPAツール選定ポイントは?

RPAツールは、国内外のベンダーから多数の製品が開発・販売されていますが、ツールによって特徴やタイプが異なります。そうした中で、RPAツールを将来的にも成功させるには何を基準に選定すべきか。そのポイントを整理します。

各社で販売されているRPAツールは、それぞれに特徴があります。RPAツールの導入を検討している企業は、自動化したい業務が複数あると思われますが、人が行う定型業務のすべてがソフトウェアロボットによって代替されることを考慮すると、目先での適用にとどまらず、将来的な視点からRPAツールを選定することが望まれます。

さまざまな業務が網羅できるRPAツールが理想

RPAツールの選定にあたって、まずふれておきたいことは、さまざまな業務が網羅できるRPAツールを選定することの重要性です。
RPAツールは、作業工程のすべてを自動化し代替できる全自動型ロボット、部分的に人が介在せざるを得ない業務に適用する半自動型ロボット、作業のほとんどを人が行う業務の煩雑な処理部分を代行し支援するアシスト型ロボットがあります。

仮にひとつの業務への適用だけで選ぶならいずれかのRPAツールを適用すればいいのですが、さらに発展的な活用をしようとなったときに機能がともなわず使えないケースが出てきます。その結果、新たなRPAツールを追加で導入することになり、ソフトウェアロボットの数が増えるにしたがって管理が複雑になるうえシステムが二系統になる、といったことが考えられ、その影響は決して小さいものではありません。当然ながらロボットの台数が増えると、コストも増大します。

局所的なRPAツール選定で考えられるマイナス面

ある業務でRPAツールを導入し効果が出てくると、次は他の業務でも活用を検討されるでしょう。似たような業務プロセスなら簡単に適用できますがが、適用できないとなると別のRPAツール(ロボット)を導入するしかありません。それでは効率化によるコスト削減どころか二重投資になってしまいます。ソフトウェアロボットも導入のたびに製造しなければならず、無駄に労力やコストがかさんでくることも考えられます。
さまざまな業務が網羅できるRPAツールは、同じようなプロセスをもつ業務であれば、ロボットをサブルーティン化し流用することができるため、この点でも優位性があります。これは、後のロボット工数削減にもつながってきます。
後々そうした失敗をしないためにも、あらゆる業務にあわせられ統合管理ができるRPAツールを選定することが望ましいでしょう。

全社的な視点で業務自動化を検討

RPAツール選定の視点は、トップダウンかボトムアップかによって違います。よくあるのが、トップダウンであれば全社的にRPAを適用することを見越してツールを選定することが多いですが、各業務単位でRPA導入を検討するボトムアップの場合、適用する業務に見合うことを主眼とした選定になってしまいがちです。RPAツールの導入過程で、他部門の業務担当者を交えあわせて検討することも一考です。

効果的なスモールスタートの考え方

RPAツールの導入にあたって、まずは試してみようと比較的規模が小さい業務の適用から考える企業が少なくありません。スモールスタートの場合、初期コストを重視するあまり低価格という基準だけでツールを選ばれるケースが見受けられます。しかし、そうしたツールの多くは必須機能を満たしていないことが多いのが現状です。スモールスタートの場合は、今後の全社展開を想定したうえで、まずは適用しやすい部署や業務からスタートし、次の業務へと発展させていくのが理想です。先にもふれたように、あらゆる業務を網羅するRPAツールなら、次に展開する業務が似たような業務であれば効率よく流用できることにもつながります。

では、具体的にPRAツールの選定ポイントを5つご説明します。

<5つの選定ポイント>
@接続性(コネクティビティ)が充実しているか
A統合管理機能が備わっていることが大前提
B簡易タイプかデベロッパータイプか?
CRPAとRDAの使い分けやハイブリッド利用を
D現行業務の分析ツールが備わっているか
【ポイント@】接続性(コネクティビティ)が充実しているか

RPAツールの必須要件として、アプリケーションとの接続性(コネクティビティ)が充実しているかが重要なポイントになります。
例えばExcelとは連携できるがCRMシステムにはできないとなると、そのRPAツールの適用業務は限りなく狭い範囲でしか効果を発揮することはできません。非常にシンプルで条件分岐のない業務フローには向いていますが、いろいろなアプリケーションを使う業務に使うことはできません。RPAツールをさまざまな業務に適用するためには、コネクティビティが充実していることが大前提となります。
全社的にRPAロボットの展開を検討されている場合、現在ご検討中のRPAツールが、MS OfficeやWebブラウザはじめ、SFA、CRMなどのアプリケーション、ホストなどの基幹システムといった、社内のあらゆるアプリケーションと連携できるコネクティビティを備えたRPAツールであるかどうかをぜひ確認してみてください。

【ポイントA】統合管理機能が備わっていることが大前提

次に選定ポイントとして重要なのは、ソフトウェアロボットの統合管理機能です。すべてのソフトウェアロボットの稼働履歴をしっかりと取り、どういったビジネスルールのロボットがどの端末でどのように動いているかといったことを統合的に管理する機能です。
統合管理機能がないとどうなるでしょう? 各端末で自動化した業務フローを勝手に変えられてしまい、設定したルールと異なった処理がなされていたとしても、もはや誰も分からなくなります。いわゆる“野良ロボット”の増加という弊害を招きかねません。また、端末のOSやアプリケーションのバージョン管理なども管理をしておかないと、バージョンによってはロボットが動かなくなる可能性もあるのです。

【ポイントB】簡易タイプかデベロッパータイプか?

コネクティビティにも関連しますが、ソフトウェアロボットをつくるためのツールは、簡単に設定できる簡易タイプと、別途プログラムが必要なデベロッパータイプに大別できます。既に別のコラムでRPAツールにはレベル1からレベル4まであることをご説明しましたが、簡易タイプのツールの多くはレベル1のソフトウェアロボットで、デベロッパータイプは多様なアプリケーションに対して実行指示が出せるレベル2以上のソフトウェアロボットになります。こちらは条件分岐が複雑な業務フロー、自社にある特有の業務フローなどにも適用が可能です。
ただ多くの企業では、自社でロボットの設定が可能かどうかは気になるところかもしれません。設定の容易さで選ぶか、適用範囲の広さで選ぶか・・・。ゴールを見据えて、自社での対応が困難であればベンダーのサポートを得ることも想定し判断されてはいかがでしょうか。
そうしたなか、製造したいソフトウェアロボットに応じて2種の製造ツールを提供するハイブリッドタイプのRPAツールが登場してきています。難しい複雑な業務に適用するなら難しいツールで、簡単な業務なら簡易ツールでつくるという使い方ができるため、RPAツールの使い勝手を向上させるタイプとなるでしょう。

【ポイントC】RPAとRDAの使い分けやハイブリッド利用を

業務内容に合わせて、RPAとRDA(Robotic Desktop Automation)を使い分けることは有効な手段です。全社を見渡せば、定型業務には処理の過程で人の意思決定が必要な業務もあれば、人が介在する必要がなく自動化できる業務もあるでしょう。前者の業務ではRPAの導入を、後者の業務ではRDAの導入をお勧めします。また、業務によっては、RPAとRDAをうまく組み合わせて活用するハイブリッド利用も検討してみてください。

【ポイントD】現行業務の分析ツールが備わっているか

RPAツール導入の目的を最大限に引き出す際は、非効率なビジネスプロセスを自動化してしまうと逆効果となることがあります。そのため、誰がどの業務でどのアプリケーションを利用し、それぞれの処理にどれくらい時間を要しているのか、また同じ業務でも効率的な処理パターン・非効率な処理パターンを洗い出すなど、現行業務を可視化することが重要です。
実際、現行の業務フローが明確になっていなかったり、業務マニュアルが備わっていないことで、RPAの導入にまったく手が付けられない企業が多く存在します。特にそうした企業には、現行業務を可視化するための分析ツールが不可欠と言えます。なぜなら分析結果をもとに、業務プロセスをPDCAサイクルで品質改善していくことが必要だからです。

以上、いくつか主要となるRPAツールの選定ポイントをまとめてみました。RPAツールを選定する際は、まず業務自動化をどのように展開していくか、RPAをどこまで適用するかを十分検討の上、導入するRPAツールを決定されることをお勧めします。