債権管理システム「CMS V5」

【導入事例】株式会社千葉興業銀行様

幅広い債権管理業務を、先進機能で効率化。
柔軟なカスタマイズで、業務プロセスの改善にも貢献。

  • 名称    株式会社千葉興業銀行
  • 本社所在地 千葉県千葉市美浜区幸町2丁目1番2号
  • 設立    1952年1月18日
  • 従業員数  1,245名(2025年3月31日現在)

千葉県内を中心に80カ所の営業拠点を展開し、「地域に密着した親切銀行」として、お客さまや地域社会に貢献している千葉興業銀行様。2025年3月、パーパス「いちばん近くで、いちばん先まで。千のしあわせを、興そう。」を新たに制定。お客さま目線でのコンサルティング考動を大切にしながら、企業価値の向上を目指していらっしゃいます。
また、全行をあげて業務プロセスの改善を推進。審査部のローン業務センターでは、アイティフォーの債権管理システム「CMS V5」を導入し、延滞管理や督促業務の大幅な効率化と、従業員負担の軽減を実現しました。

導入前の課題 主な導入効果
既存の債権管理システムが更新時期を迎え、高機能なシステムへの刷新が急務だった 業界標準の機能とトップシェアを誇る「CMS V5」を導入。幅広い債権管理業務の効率化を実現
催告書や代弁請求書などを作成・送付する事務フローが複雑で、手間と時間がかかっていた 文書作成・送付をシステムで一括して行えるようになり、作業時間の大幅短縮を実現
お客さまへの督促連絡手段が電話だけであり、きめ細かなアプローチができなかった SMSでの連絡が可能になり、お客さまとの接触機会が拡大、延滞率の低下につながった
3名の写真

<インタビューご出席者>
右から

  • 審査部 部長代理 ローン業務センター所長 長谷川 武憲 様
  • 審査部 ローン業務センター 副調査役 柴 貴 様
  • 審査部 ローン業務センター 副調査役 久保島 浩生 様

※肩書きは当時のものです。

導入時の課題・背景

圧倒的なシェアと、業界標準の技術力を評価した

ローン業務センターでは、長年活用していた債権管理システムが保守期限を迎え、機能面でも見劣りするようになったことから、システムの刷新を検討。さらに、全行で進めていた業務プロセスの改善も、新システム導入を後押しする要因になりました。

長谷川様

審査部 部長代理 ローン業務センター所長 長谷川 武憲 様

長谷川様は「当時、我々のローン業務センターでは、営業店で行っていたローン事務をセンターに集約するという大きな業務改革を進めていました。さらに、督促人員の縮小も行ったことから、新たな業務体制を支えてくれるシステムの構築が求められていました」と振り返ります。

こうした中で、同行の債権管理を担う新たなシステムとしてアイティフォーの「CMS V5」を採用。同システムを選んだ大きな理由は、圧倒的なシェアが物語る高い信頼性にあったといいます。

柴様は、「地銀の約75%がアイティフォーのシステムを導入し、当行も参加している地銀向け共同利用型基幹系システム(地銀共同センター)の利用行におけるシェアも約60%であり、我々のシステムとの親和性も高いと判断しました。また機能面においても、当センターにおける債権管理業務のほぼすべてをカバーし、最新の自動化機能も次々とリリースするなど、債権管理システムの業界標準を作ってきたアイティフォーのシステムを活用することは、我々にとって大きなメリットがあると感じました」と経緯を説明します。

導入効果

1. 催告書等の作成・発送を省力化、業務スピードが大幅に向上

「CMS V5」の導入によって、債権管理に関わる幅広い業務の効率化を達成。特に、大きな成果につながったのは、催告書や代弁請求書、相殺通知などの文書作成・送付作業の省力化でした。

久保島様は「例えば、以前の債権管理システムでは、催告書を作成する際に、必要な情報を手入力する必要があった上、作業を同一システム内で完結できず、別端末がある席へ移動して、e(電子)内容証明郵便の送付手続きを行わなければなりませんでした。
しかし、『CMS V5』なら、自席のパソコンで作成から送付まで簡単に行え、作業時間も大幅に短縮できました。以前は1件当たり30分程度かかっていた催告書の作成・送付を15分程度で行えるようになり、代弁請求書は、期限の利益喪失日や代位弁済日を入力するだけで時間の短縮が図られました。さらに、期日管理設定を行うことで、その日に作成すべき催告書や代弁請求書のリストが自動的にシステムから提示されるため、作成・送付が効率的に行えるようになりました」と効果を説明します。

久保島様

審査部 ローン業務センター 副調査役 久保島 浩生 様

2. SMSでの督促連絡が可能になり、延滞率が低下

さらに、「CMS V5」はシステムからSMS(ショートメッセージ)を送信することができ、延滞されているお客様へきめ細かな督促連絡が可能になりました。

久保島様は「以前は、マイカーローンなどの証書貸付やカードローンの延滞先に電話で督促連絡をしていたため、担当者の大きな負担になっていました。現在では、『CMS V5』の機能を活用して、件数の多い無担保ローンの初回延滞先には一括でSMSを送信し、業務の省力化を果たしています。

督促連絡は、コールリストに沿って、100件、200件と電話をし続ける地道な作業でしたが、今では、SMSを送信しても入金がないお客さまには電話をかけるなど、相手の反応に合わせて効率的なアプローチができるようになりました。架電数も減少したことで職員にも精神的な余裕が生まれ、業務の質の向上にもつながっているように思います。そのせいか、SMSを導入して以来、延滞率は低下傾向にあります」と説明します。

柴様は「これまでは、電話をしてもつながらなかったり、留守番電話にメッセージを残しても聞いてもらえなかったりしたのですが、SMSはお客さまに届きやすいのでしょう。電話とSMSを使い分けることで、お客さまとの接触回数が増えたことが、延滞率の低下につながっていると思います」と分析します。

柴様

審査部 ローン業務センター 副調査役 柴 貴 様

3. 「日中入金あり」の表示※で、コール担当者の心理的負担が軽減(※実際は日中入出金があった場合に表示されます)

久保島様

また、延滞されているお客さまに電話をする場合に必要だった日中の入金確認の負担も軽減できました。
久保島様は「延滞先のコールリストは、前営業日のデータに沿って作成されるため、コール担当者は当日に入金されたお客さまには督促電話をしないように、端末で一人ずつ口座の動きを確認してから架電をしていました。
この確認作業に手間がかかり、効率化の障害になっていたのですが、『CMS V5』なら、お客さま情報の画面に、注意情報として「日中入金あり」というフラグが立つので、フラグの立っていないお客さまは口座確認をせずに電話ができるようになりました。
コール担当者にとっては、督促電話をしたお客さまから、“入金済みです”と言われてしまう心理的な負担が少なくなり、安心して業務に臨めるようになったことも大きな成果だと感じています」と話します。

4. 柔軟なチューニングで使い勝手がさらに向上

「CMS V5」は、債権管理業務に必要な機能を備えたパッケージ商品ですが、個社ごとの調整も柔軟に行えます。千葉興業銀行様での導入に際しても、ご要望に合わせてきめ細かくチューニングしたことで、より大きな利便性をご提供できました。

芝様

柴様は、「嬉しかったのは、システム利用者の異動に伴うID管理の手間を解消してもらったことですね。当行では、債権管理システムの利用者にIDを付与し、所属する営業店のお客さま情報だけを閲覧できるルールとしているため、異動の際、IDに紐づいた所属店の変更をしないと、異動先の店舗の情報が見られません。

そのため、人事異動の時期には、営業店から変更申請をしてもらいシステム上でID情報を手入力で変更しなければならず、営業店・管理者双方にとって大きな負担になっていました。そこで、アイティフォーに相談したところ、人事名簿を『CMS V5』と連携させることで、人事異動に合わせて自動的にIDに紐づいた所属店情報が変更される仕組みを実装してもらいました。(現在、営業店は全店のお客さま情報を閲覧可能です)

『CMS V5』は、パッケージシステムでありながら、非常に自由度が高いのが優れたポイントだと思います。我々ユーザーのニーズにきめ細かく応えてくれるシステムだと思います」と話します。

今後の展望

「CMS V5」が、業務プロセス改善の推進力になった

「CMS V5」の導入は、既存システムが更新時期を迎えていたことがきっかけでしたが、結果的に、千葉興業銀行様が取り組む業務プロセス改善に大きく貢献することができました。

長谷川様は「今回導入した『CMS V5』には大変満足しています。結果論ですが、営業店のローン事務を受け入れつつ、ローン業務センターの人員も縮小するという状況の中で、従来のシステムのままでしたら、この人数でこれだけの業務に対応できなかったと思います。

地方銀行にとっては、IT化の推進やAI導入はこれからの課題であり、アイティフォーから提供してもらう先端技術の情報は我々にとって大変有益なものです。また、アイティフォーの主催するバンクユーザー総会などに参加することで、他行の動向を知ることができるのも他では得難い価値があります。金融業界で高いシェアを獲得し、債権管理業務に精通しているアイティフォーには、今後も幅広いサポートを期待しています」と語る。

長谷川様

(インタビュアー・文/小山 太郎、写真/吉原 正敏)