RPA 業務自動化ソリューション(NICE RTSシリーズ)

RPAお役立ち情報04RPA導入の第一歩 ―RPAツールの4つのレベルを知る

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掲載日:2017年7月13日

RPAお役立ち情報04RPA導入の第一歩 ―RPAツールの4つのレベルを知る

RPAツールは、多くの企業が導入の検討を進めています。RPAツールはさまざまなベンダーが提供していますが、どのツールでも得られる効果は同じというものではありません。RPAツールにはレベルがあり、それぞれで適用業務範囲が異なります。まずはそのレベルの違いを知っておく必要があります。

RPAツールは、業種を問わず多くの企業で急速に導入検討が進んでおり、導入事例も続々と増えてきました。RPAツール自体もさまざまなベンダーから提供されおり、それぞれに特徴を備えています。そうしたなかで、RPAツールを導入する前にまず知っておくべきポイントがあります。

それは、RPAツールは4つのレベルに分類されるということです。ツールの製品特徴は別の回で説明しますが、まずはこの4つのレベルの違いを十分ご理解いただくということが重要であると考えています。

業務には、誰にでもできるような単純作業もあれば、経験豊富な人にしかできないようなノウハウが求められる業務もあります。また複数のアプリケーションが関連し連携した処理が絡み合う業務は、条件分岐が増えたり他のフローに遷移することにより、複雑さや規模感が異なってきます。
利用するアプリケーションの数が増えれば、業務内容やアプリケーションの数によって条件分岐のパターンは何万通りにもなります。そのためRPAツールは、業務の複雑さや難易度に合わせて適切に選定することが重要になります。

さて、先述の通りRPAツールには4つのレベルがありますが、レベルよって適用可能な業務の範囲が異なります。ではそもそもRPAツールのレベルとはどういうものなのでしょうか。

まず、業務の自動化といえば、Excelのマクロをイメージする方も多いのではないでしょうか。このマクロを起点(レベル0)として、自動化の4つのレベルについてご紹介します。


レベル1 弱いRPA

極めて定型的な業務、シンプルな業務パターンに適用するツールレベルで、弱いRPAといえます。OS上の操作とマクロ機能が組まれたアプリケーションや、一部のWebアプリケーションの自動実行が中心です。
非常にシンプルな反復作業を自動実行できるのがこのレベル1の弱いRPAであり、業務もテンプレート化されているため、「テンプレートタイプのRPAツール」とも言い換えることができます。


レベル2 強いRPA

現在の主流はレベル2のRPAツールで、2016年半ば頃から始まっています。レベル2は、レベル1を拡張したもので、拡張された大きなポイントは以下の2点です。

@接続性(コネクティビティ)の拡張
レベル1の弱いRPAではサポートされていないアプリケーション、プログラミング言語、ホスト(エミュレーター)といった広範なアプリケーションに加え、基盤システムとも連携接続が可能。
A適用業務範囲の拡張
多種多様なアプリケーション操作を伴い複雑に分岐する業務フローであっても、自動化が可能。

接続性の数が多ければ多いほど、サポートできるアプリケーションの数が増えます。また、対応できる業務フローがより複雑になればなるほど、適用業務範囲が広くなります。つまり、より多くのパターンに対応できるRPAツールほど、優秀なロボットになるのです。


レベル3 CA(コグニティブ・オートメーション)

レベル3では人工知能(AI)を活用して、業務プロセスを機械学習(マシーンラーニング)し、業務を自動化します。インテリジェント・プロセス・オートメーション(IPA)とも呼ばれています。
ここでいう人工知能とは、「特化型人工知能」ともいうことができます。特定業務において統計情報や機械学習などにより精度の高いアプトプットを導き出し、自ら適切な判断をすることで、ある程度の非定型業務を含めその後に続く業務をロボットが自動化するレベルです。
ただ、レベル3についてはまだ概念が固定化されていないのが実情です。


レベル4 AI(人工知能)

レベル4は、汎用AIのような強い人工知能を用いて特徴量を自動抽出し、深層学習(ディープラーニング)により人間と同じレベルで業務を遂行するロボットです。特徴量とは、学習データにどのような特徴があるかを具体的に数値化したもののことです。
このレベルでは、RPAツール自体に人工知能が組み込まれ、コグニティブオートメーションとして世の中に広まっていきます。製品と一体になっているため、より理想的なロボットであると言えます。


以上、RPAツールの4つのレベルをご説明してきましたが、ここで、あらためて現状のレベル1とレベル2の違いについて整理をします。

  適用業務範囲 適用業務 システム接続性
レベル1 弱いRPA 狭い範囲でしか適用できない シンプルな業務への適用 単一 or 特定のシステムへの接続
レベル2 強いRPA 広い範囲で適用可能 複雑な業務への適用 複数のシステムへの接続

さらに導入ポイントにもつながりますが、RPAツールは、重要な点でレベル1とレベル2に大きな違いがあります。今後さまざまな業務においてロボットが活用され、それに伴いロボットの数が増えてくることが予想されます。そういったときに、ロボットが正しく、人間の想定通りに業務を遂行しているかを管理することが非常に重要となってきます。そのためにもロボットの「統合管理機能」を有していることが、レベル2のRPAツールとして必須条件となります。

2017年時点ではレベル2のRPAツールが主流と言えますが、レベル2.5に相当するRPAツールもリリースされています。従って、適用業務が異なるRPAツールのレベルを知ることが、導入の第一歩と言えます。

将来的には汎用の人工知能と連動することで、今まで人にしかできなかった業務もすべてロボットが代替することができる時代がくるでしょう。RPAツールは、第4次産業革命の推進に伴う期待の一因となっているのです。